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第13回 ママのねオンライン勉強会開催報告と録画視聴のご案内 flower-icon

第13回ママのねオンライン勉強会が2022年6月18日に開催されました。

◎テーマ:
連続7回シリーズ:助産師としての信念に従うか、周りに流されるか
―海外の助産教育から考える≪この日本で助産師として生きる≫意味―

「カナダ(ケベック州)の助産教育について」

◎ゲスト:大谷明希さん (カナダ ケベック州 助産師)


現在録画視聴の申込を受け付けております。

https://sairokuga-mamanone13.peatix.com/


大谷明希さんは、日本で助産師として働いた後に、カナダであらためてダイレクトエントリー、助産教育を受けてカナダのケベック州で助産師の仕事をされています。

日本とカナダの両方での助産教育、両方で助産実践をされた経験をもとに、

・女性が助産師に何を求めているかを知ってもらい、
・女性のニーズに応えるために一人一人の助産師が今何をすべきかを考え行動してほしい

という目的で開催いたしました。

勉強会では、

・ケベック州の助産師の働き方

・ケベック州の助産教育

・大谷助産院で働いた日本の経験とカナダのメゾンドルネッサンスで働いた経験、教育を両方受けた経験の中で、どんなことを感じたか

・日本の女性とカナダの女性を見てどんなことを感じるか

ということを中心に、出産ケア政策会議の理事で、女性の立場である古宇田千恵さんと中野裕子さんとの対談方式で会は展開されました。





質問の時間では、

・ケベック州の多文化の中でどのように助産を展開しているか
・助産師はどこに雇われて勤務をしているのか
・助産師会に所属する割合
・母親が助産師でどう思ったか
・助産師がこれから増えていくか
・バースセンターのお産が増えていくか

など多くの質問が出ました。

最後に、共同代表の日隈ふみこさんより、

カナダは助産師が少ない中でがんばっている。
日本は助産師がたくさんいる。

日本では、助産師全員が、産前・出産・産後に関われたら、全ての出産に対応できる。

そこをもう一度考えましょう。

日本では、女性の一生に寄り添う助産師として動いているという現状がありますが、

「産前・出産・産後の専門家は助産師」ということが、今世界的にはスタンダードな考え方ということを知ってほしい。

日本の中でも、もう一度助産師として考えてみませんか?

という問いが投げかけられ、会は終了しました。


皆様からのご感想です(掲載可のもののみ)。

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●助産師教育が1990年代以降というのに驚きました。

●数年先には分娩を取り扱いたいという思いが強くなりました。
カナダが助産師のあるべき姿を模索し、女性のために活動したいと取り組まれていることがとても刺激的だった。また、それと同時に、日本に合った助産のシステムの構築が重要であると感じ、日本人の助産師の強みをもっと理解していくことが今後求められていると思った。

●「常にリフレクション」という言葉が印象に残りました。また、助産を絵画や彫刻などで表現して伝えるという発想が新鮮でした。 そして、異文化を受け入れていく姿勢は日々の人間関係でも同様であると感じた。
カナダの州のシステムとして、搬送やオープンシステムもスムーズに機能しているので、やはり日本もシステムを整えることが必要だと思います。

●43歳でカナダの助産大学へ飛び込んだ大谷さんのバイタリティーに感心しました。そして、最後に日隈さんが「カナダと比べて、日本にはたくさんの助産師がいる。日本の助産師がみな妊産婦さんの継続ケアにあたれば、今いる妊産婦さんにしっかりしたケアを届けることができる」とおっしゃっられたことが、印象的でした。

●日本の助産の現状を憂い、他国の情報を羨ましく思うことが多々ありますが、今日のお話は、ケベック州で雇用されて働くことの、日本で助産所で働くことの、それぞれのメリットデメリットをお聞きできて、明希さんが「楽しい」と思うことの大切さをおっしゃいましたが全く同感です。でも、ただ楽しいで現状に満足しきってしまわず、より女性がエンパワーされる体験を支援できるよう、今後も精進します。ケベックで20周年の時に、バースセンターや家庭分娩が広報のトップに出てくるよう働きかけた件、どうにか日本でも、、と考えたいです。 ありがとうございました!

●自分の助産観をアートでも何でもいいので表現する課題が印象的でした。

●カナダで助産を学ばれる学生のバックグラウンドの多様性に驚きました。
看護学校から直接助産に行くだけでなく、様々な(医療職だけにとどまらず)キャリアを積んでから助産の道に進む選択肢もあるのだと学びました。

●カナダ・ケベック州の助産についてお話を聞け、有意義でした。公的機関に所属し、自律して助産をされていて、かつ、休暇もとれる方法は良いですね。助産師が増え、これが広まるといいですね。かつて、日本にも母子保健センターがあったのですが・・・。

●大谷さんのパワフルで、とても聡明なお話しが心地良く楽しく聞けました!カナダでの助産師の活躍ぶりに刺激をもらえました。
やはり助産師は日々学び合い、認め合いですね。お互いに話し合える雰囲気があり、変わった事を始めても認められる風土が良いですね。

●自律性と責任を持った助産師の育成を目指すケベック州の助産師教育について、大変興味深く学ばせていただきました。
助産院での分娩が全体の1%にも満たない日本で、女性が自らかの意思で助産院を選ぶことができるように、助産師は女性と対等なパートナーであるという認識をもって活動していきたいと思います。
また、日本の助産師教育が、医師の診療補助やミニドクターの育成ではなく、自律性をもった助産師の育成や、女性のエンパワメントにつながるケアを提供できるような方向へ転換していけるよう、できることから見つけていきたいと思いました。

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お話をしてくださいました大谷明希さんに心からの御礼を申し上げます。

出産ケア政策会議では、今後も、すべての妊産婦がLMCのケアを受けられるように、産前・出産・産後の継続ケアを保証する【LMC制度】の実現に向けて【ママのねプロジェクト】を展開していきます。ㅤ

皆様の応援を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ゲスト 大谷明希さん (カナダ ケベック州 助産師)

大阪府寝屋川市にある大谷助産院、実家で生まれる。
京都第二赤十字看護専門学校、大阪府立助産婦学院( のち大阪府立大学に統合される)卒業

京都第二赤十字病院、大谷助産院勤務で資金を貯めた後、 北アメリカとヨーロッパを7ヶ月間旅行しつつ助産師達を訪問
1997年からカナダ、ケベック州に移り住み出産子育て。
ケベック大学で4年間の助産師プログラムを終了した後、 2016年から6年間お産の家(メゾンドネッサンス)勤務