2023.5.1
出産ケア政策会議は、4月27日(木)に「デジタル化された『マタニティケア検索・予約システム』の導入を求める提言書」をこども家庭庁に提出し、「正常分娩を保険適用の対象とする『出産保険』制度の創設を求める提言書」を厚生労働省に提出後、記者会見を行いました。本提言書を作成するにあたり、クリニックの産科医師や弁護士からの助言をいただきました。
この【報告②】では厚生労働省への提言書提出について皆様にご報告をいたします。
厚生労働省本省庁舎(中央合同庁舎第5号館)で、出産ケア政策会議共同代表の日隈ふみ子氏と古宇田千恵氏が、伊佐進一厚生労働副大臣(内閣府副大臣) に正常分娩を保険適用の対象とする「出産保険」制度の創設を求める提言書を提出しました。
こちらの提言書の趣旨は、
「自由民主党・出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」の提言の中で示された、出産(正常分娩)に公的保険を適用した上で、自己負担が生じないようにする仕組みの導入、つまり「お財布のいらない出産」は、私たち母親にとって朗報であり、歓迎すべきことである。
しかし一方で、「正常分娩に公的保険が適用されると、産科医療機関が廃業に追い込まれる」というニュースが報道されており、「身近な地域で産めなくなるのではないか」「お産難民が加速度的に増えるのではないか」という不安の声が私たち母親の間で広がっている。「身近な地域で産みたい」という母親たちのニーズに応えるためにも、産科医療機関が正常分娩の保険適用によって廃業に追い込まれないように支援していただきたい。
というものです。
左より、井上清成弁護士、草野、田中、平田、高橋、古宇田、伊佐進一厚生労働副大臣、日隈、赤塚、堀口貞夫氏(産婦人科医、元愛育病院院長)、吉川、東京都助産師会会長 宗祥子氏(助産師)、池下久弥氏(産婦人科医)
伊佐厚生労働副大臣より、今回の提言のタイミングについて「まず本当にいいタイミングで来ていただいたと思っています。保険適用自体は、我々としては『保険適用をやります』と言ったわけではなく、『保険適用をやるかどうか』も検討するということなんですが、ただ『やるか』ということも含めて『やるんだったら、どういう制度設計をするか』ということといっしょになった議論になると思うんですよね。そういう意味では、この早い段階で皆さんからいろいろ現場の状況をお伺いできているというのは非常に大事なことだと思っています。」というコメントをいただきました。
さらに提言の内容については「出産の保険適用が進んだとしても、業務が増えた、地域で産めなくなったとなれば、何のために少子化対策をしているのか分からなくなってしまう。保険適用の前提として情報の見える化を進めなければいけないと考えていたが、マタニティケア検索・予約システムが妊産婦の安心につながる大事なことだと今回聞くことができて、非常に良いタイミングでこの話を聞けた。こども家庭庁と連携しながら、今回の提案を参考にして政策を進めていきたい」というコメントをいただきました。
報告①で紹介しました「マタニティケア検索・予約システム」。出産の保険適用および出産の無償化だけでなく、情報の見える化、さらに妊婦が自分の受けたいケアを自分で選択できるシステムを実現するために、今後とも出産ケア政策会議の活動へ関心をお寄せください。次は【報告③】提言提出の報告のための記者会見へ続きます。
伊佐進一厚生労働副大臣と話す出産ケア政策会議メンバーの子どもと母親